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九州・沖縄企業 M&A17%増の76件 成長分野への参入目立つ

 九州・沖縄に本社を置く企業が関わった2012年のM&A(合併・買収)の件数が、11年比17%増の76件だったことが分かった。東日本大震災前の10年(78件)に迫る水準だが、リーマン・ショック前の07年(150件)に比べるとほぼ半数にとどまる。成長分野への新規参入が目立った。業種別では、人口減少に伴う国内市場の縮小を背景に卸や小売りといった流通関連などが多かった。
 M&A助言のレコス(東京・千代田)が12年末までに判明した案件を集計した。資本参加や事業譲渡も含む。
 目立ったのは、成長が見込まれるシニア向けビジネスへの参入。住宅販売のシノケングループは11月、介護事業コンサルティングのリクロス(福岡市)を買収。サービス付き高齢者向け住宅の開発・企画で実績がある同社を取り込み、シニア向け住宅を強化する。
 損害保険ジャパンは同社を中心につくる高齢社会戦略1号投資事業有限責任組合(東京・千代田)を通じ、ジャスダック上場のシダーに出資。有料老人施設などを全国展開する同社を組み、介護分野を強化する。
 業種別では流通関連が17件と最多。ベスト電器は12月、第三者割当増資でヤマダ電機の子会社になった。酒類店チェーン大手で仙台市が本社のやまやは10月、食肉販売などを手掛ける明治屋産業(福岡市)から、福岡・山口両県で展開する酒類販売事業を譲り受けた。
 次いで多かったのはIT(情報技術)関連の10件。企業向けソフト開発のドリーム・アーツ(東京・渋谷)は1月、データセンター運営のインデックス沖縄(那覇市)を子会社化した。
 海外案件では、カードローンのKCカード(福岡市)が10月、韓国子会社を通じて地場銀行を買収した事例など、いずれも海外事業を買収した3件。円高下でも3年連続で同数にとどまった。「現地での経営ノウハウ不足」(福岡市のIT企業幹部)などが理由と見られる。
 一方、M&Aの合計額(判明分)は前の年に大型案件があった反動で601億円と14%減った.


【九州・沖縄企業が関わったM&Aの主な案件】
 1月:久光製薬が医薬品メーカーの祐徳薬品工業(佐賀県鹿島市)の株式15%を取得
 3月:豊田自動織機が西部電機の株式7.3%を取得、業務提携も
 4月:日本水産が水産冷凍食品製造の金子産業(長崎市)を買収
 6月:ダイドードリンコが果物入りゼリー製造販売のたらみ(長崎市)を買収
12月:全日本空輸がスターフライヤーへの出資比率を約18%に引き上げ
※レコフ調べ

2013年1月12日付朝刊