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シノケングループ 不動産販売、施工も自前

 福岡を地盤に不動産販売を手掛けるシノケングループ(8909)の業績が好調だ。昨年2月に建設会社を買収、マンションを自前で施工する体制にしたことで昨年来の人手不足、人件費高騰の問題を乗り切っている。周辺サービスの充実が販売拡大に結びつく好循環を生んでおり、2015年12月期の売上高は500億円、純利益は33億円と、ともに過去最高を更新する見通しだ。
 福岡や東京などの大都市を中心に投資用のマンションやアパートを販売している。
14年12月期は20年の東京五輪を手掛かりにした不動産市況の改善を追い風に、マンション販売が好調。売上高は397億円と、前の期に比べ約5割増えた。収益面で効いたのが昨年2月の小川建設(東京・新宿)の買収。マンションを自前施工するようにな
り、人件費・資材費の高騰を吸収、純利益も約4割増の28億円と過去最高となった。アパートの受注残は14年12月末時点で249棟。前期の販売実績(171棟)を上回っており、今期も業績は伸びる見通しだ。
 ただ、好況に乗っているだけではない。同社の顧客の約4割はリピーターや口コミによる紹介など。それを支えているのが2つ目の事業の柱である「大家」向けの周辺サービスだ。賃貸管理や家賃滞納保証、入居者向けの保険などを一括してそろえており、今や売上高の2割を不動産販売以外の事業が占める。
 近年注力しているのが高齢者向け事業だ。12年に介護関連会社を買収し、介護事業に参入。自社管理する物件の空き部屋を高齢者向けに改装する「高齢者安心サポート付賃貸住宅」で13年度にグッドデザイン賞を受賞した。入居者が介護サービスを受けられる体制を整備。14年には子会社の少額短期保険会社を通じ、家主向けに賃貸物件で入居者が「孤独死」した場合に、部屋の原状回復費用などを支払う保険を発売し、家主が高齢者を受け入れやすくした。
 14年12月には大阪オフィスを開設。「主要都市圏には布石を打った。今後5年間でM&A(合併・買収)攻勢をかけて収益を上げる」(篠原英明社長)。2月には大阪府で認知症対応のグループホームを手掛ける2社を約8億円で買収。今後増える認知症高齢者への対応のノウハウを得て、顧客を広げる方針。
 東京五輪後に不動産市況は再び冷え込むとの見方が多い。アパート・マンション需要が停滞する中、M&Aなどを通じた多角化でどう業績を伸ばすかが今後のカギだ。
(平本信敬)

2015年3月8日~14日号