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マンション販売好調でV字回復 3カ年中計で安定成長図る

 不動産投資コンサルのシノケングループは、主力事業の不動産販売が好調。業績をV字回復させている。
 リーマンブラザーズとの業務提携で投資用木造アパート向けのノンリコースローンを組成していた同社は、08年秋のリーマンショックが“直撃”する形で大きな打撃を受けたが、直後、迅速に資本増強を実施、態勢を整えながら販売用物件の開発と営業強化を推進。その結果、2010年度はマンション・アパートの販売が前期の2倍以上に伸び、12月決算では売上高約196億円、経常利益8億円と3期ぶりの黒字を計上した。


アパート・マンション販売が倍増

 全体をけん引しているのは株式会社シノケンプロデュースと株式会社日商ハーモニーが展開する不動産販売事業、特に投資用マンションの販売だ。
 地元福岡では09年末、マンション販売の株式会社えんと資本・業務提携。シノケンプロデュースが開発した物件を、えん社に1棟売りする形で物件供給している。篠原英明社長は「当社は福岡での開発物件の『出口』が確保でき、えん社は自社開発の手間を少なくして販売に専念できることでお互いの利益が一致した“Win‐Win”の関係」と語る。
 一方首都圏では、日商ハーモニーがマンション販売を積極的に進めている。自社開発物件を中心に販売しているが、それだけでは需要に追い付かないため、他社開発の新築物件や中古物件も含めて販売を大幅に伸ばし、2010年度はマンション全体で469戸と前年の2倍超、木造アパートも昨年秋ごろから伸びて、前年の2倍近くとなる64棟を販売した。


M&Aで新事業を積極展開

 物件の販売が増えるとともに管理物件の数も増加。賃貸管理の株式会社シノケンファシリティーズは現在11,000戸以上を管理しており、2010年度の売上高は約30億円、経常利益は約2億円に伸長。LPガス供給で9,000戸を超えた株式会社エスケーエナジーとともに安定したストックビジネスとして成長してきている。
 また、ファイナンス事業の株式会社シノケンコミュニケーションズは、アパート、マンションを購入した投資家の購入資金の一部融資であるバックアップローンを扱っており、アパートの入居者からの賃料が返済の原資となるため返済不履行が起きにくい。家賃滞納保証業務も6,700件を超え、リスク管理の徹底による延滞率抑制で利益率を高めている。
さらに、昨年、ビルメンテナンスの株式会社ケイビイエム(東京都)をM&Aで取得し、管理物件の清掃業務を内製化してコスト削減を図るとともに、今後はリフォームなども含め、グループ全体としての事業領域を拡大していく方針だ。
 アパート・マンションの販売に加えて、賃貸管理・ビルメンテナンス、ガス供給、投資家への融資など、シノケングループは不動産に係る業務の大方を網羅している感もあるが、篠原社長は「その他にも常に新しいことは考えている。M&Aも含めてこれからまだまだ新しいビジネスを手がけていきたい」と語る。


利益率・事業効率向上図る

 同社は今期からの3カ年で中期事業計画をスタート。初年度の今期、売上高は210億円、経常利益8億5,000万円を目指す。アパートの販売棟数は100棟、マンションは400戸を計画しているが「マンションは他社からの仕入れができないことを想定しての数字。1から2月の販売状況は昨年を上回っているので、仕入れが順調ならばさらに伸びる可能性がある。数値目標は3年計画で確実に刻む形。業績計画については従来から固く設定している」として、3年間で安定成長のベースを築く方針だ。
 中期計画によると、不動産販売事業を主としたフロービジネスにおいては、土地オーナーの案件増加や、共同開発スキームの推進によるオフバランス化で、利益率・事業効率の向上を図る戦略を掲げている。


海外事業を“第3の柱”に

 また、中国・上海に設立したシノケン不動産(上海)では、海外投資家に向けた日本国内の不動産販売や、上海における日系企業などを対象とした賃貸仲介・コンサル事業を展開。現地旅行会社とタイアップしての不動産投資セミナーや物件視察ツアーなどを推進しており、昨年から成約実績も上がってきている。
 現地での物件仲介でも、これまでに日本の物販・飲食業などの上海進出をサポートしており、篠原社長は「中国で日本の不動産を販売している企業はあるが、当社のような規模で、海外進出のサポート・コンサルまでやっているところは稀だろう」と自負。今後、海外事業をフロービジネス、ストックビジネスに次ぐ“第3の柱”とすべく推進していく。

 また、宮城県仙台市内と東京都内に事業所を置く同社は、3月11日に発生した「東北地方太平洋沖地震」の被災地・被災者への支援を実施している。
 シノケンファシリティーズが管理する仙台市と千葉県内の賃貸物件のうち安全確認ができたものの中から、極力入居負担がかからない特別プラン対象物件を指定して、被災者への提供を3月15日に打ち出したほか、被災者や被災地の復興支援のため、シノケングループ及び篠原社長から義援金を寄贈した。また同社では「その他支援可能な援助についても、被災地における自治体等と協議しながら、今後積極的に検討する」としている。

2011年号