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【日本経済新聞】インドネシアでREIT シノケン、外資初の運用免許

 投資用不動産開発のシノケングループはインドネシアで2019年内にも不動産投資信託(REIT)を運用する。同国金融庁(OJK)から29日までに、不動産ファンド運用業務のライセンスを外資系企業として初めて取得した。シノケンがインドネシアで建設するアパートのほか、日系企業の工場や商業施設を組み入れた私募REITを組成する。世界の投資家から資金を募り、インドネシアの不動産市場の成長を取り込む。

年内にもまずアパートや工場

 シノケンの現地子会社、シノケンアセットマネジメントインドネシア(ジャカルタ、SAMI)が23日付で取得した。インドネシアでは外資系企業や外国人が投資目的で不動産を取得することが実質的にできない。REITの組成は07年に解禁されたが、運営企業は財閥のリッポー・グループ系など内資3社どまりだった。シノケンはSAMIの役員に金融庁元長官らを据え、数年越しの審査を経て認可を取得。国外投資家にとってインドネシア不動産投資の門戸が広がった。
 年内にSAMIがREITを組成する。まずジャカルタ中心部でシノケンが開発・管理する単身者向け高級アパート「桜テラス」を組み入れる。第1号が3月に完成し、5棟分の用地も取得している。高層マンションの開発・運営も構想しており、将来REITに組み入れる。
 インドネシアに進出している日本企業が展開する工業団地やホテル、ショッピングモールなども組み入れたい考え。投資拡大のため、REITに資産を売却して現金化するニーズは大きいとみている。シノケンはインドネシアのREITで「年5~7%の配当利回りが期待できる」とする。
 シノケンによると既にシンガポールや欧州の機関投資家が関心を示している。現地財閥資本のREITに比べ、独立性や信頼性の観点から評価を受けているという。日本国内でも事業法人や金融機関に販売していく。
 REITの資産規模は初年度に100億円にする。3年後に400億~500億円にまで拡大し、早期に1000億円規模を目指す。
 インドネシアの人口は2億6千万人と世界第4位で、実質国内総生産(GDP)の伸び率は5%程度で推移する。国際決済銀行(BIS)のまとめではインドネシアの住宅用不動産価格は名目でこの10年で約5割上昇し、日本の伸び率(1割)を大幅に上回っている。
 シノケンは日本でもREITの認可取得を準備している。将来は日本とインドネシア両国の不動産を組み入れた投資商品の提供なども構想し、REIT事業を将来の収益の柱に育てる考えだ。
 個人投資家による不動産投資はスルガ銀行による不正融資が社会問題化し、金融機関は融資に対する審査を強化。シノケンが主力とする投資用アパート事業は逆風が吹いている。同社の2019年12月期の連結純利益は前期比2割減を見込む。

日本経済新聞 2019年7月30日朝刊