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【月刊『プロパティマネジメント』】インドネシアでREIT組成 現地デベ・投資家の出口需要総取り

インドネシアのREITに国内外の投資家資金呼び込む
 シノケングループは、国内主力事業のアパート・マンション開発・販売・管理事業に続く成長の柱として、海外事業ヘ力を注いでいる。
 その第一弾として2015年にインドネシアへ進出。単身者向けアパートの開発・運営を手がけてきた。さらに2019年7月には、現地子会社のShinoken Asset Management Indonesia(SAMI)が外資系企業でははじめて、インドネシア金融庁からREITの組成・運用を企図した投資運用業の認可を取得した。2020年前半の運用開始をめざし、私募REITの組成準備を進めている。
 インドネシアは、世界4位の人口規模(約2.6億人)に加え、国民一人あたりのGDP成長率の高さ、中間所得層の増加による住宅需要の拡大などが魅力となる。
 グループのAM会社でシノケンアセットマネジメントの代表取締役 兼SAMlのコミッショナーメンバーである上坂弘氏は、同国への進出理由を次のように説明する。「国内でのシノケンの投資用不動産にかかるビジネスモデルをそのまま活かせる市場と考えた。法制度や商慣習などに未知の領域も多く商品開発のハードルは高いが、進出した当時は、不動産分野での日本企業の進出事例が少なく先行者利益を獲得しやすかったのも魅力」。
 組成中の私募REITは、契約型と呼ばれるストラクチャーを活用するもの。
 ポートフォリオは総合型で、住宅、オフィス、ホテル、物流施設などを幅広く組み入れる。住宅はグループが首都ジャカルタで開発する、単身者向けサービス付きアパートブランド「桜テラス」も組み入れる予定。1棟60室程度の規模で、2019年3月に第1号案件を竣工済み。現在は、不動産開発・運営事業を行う現地法人が保有・運営している。既に5か所の立地をおさえており順次開発に入っていく。
 オフィスなどその他のアセットタイプは、既存の収益物件を市場から調達していくが、投資運用業の認可を取得してからは、同社に膨大な案件情報が集まっているという。実はインドネシア国内の不動産ファンドAM会社はSAMIを含め4社しかない(2019年12月現在)。残りの3社は現地財閥系企業で、独立系はSAMIのみ。「現地投資家やデベロッパーには、資産を一度売却して利益を確定させたいニーズが非常に強い。これまで流動性が皆無だったため反響は大きい」と上坂氏は話す。

投資プラットフォームを外部の投資家にも提供
 資産規模は早期に日本円で約100億円程度にする考え。2019年11月には、REITの日本国内販売を目的に、国内ネット証券でシェア1位のSBI証券と提携した。日本や海外の機関投資家、個人投資家から幅広く投資を募る方針。配当利回りは5~10%の水準を見込む。
 今後は私募REITとして一定期間運用したのち、インドネシア証券取引所への上場も検討する。さらなる投資家層とファンド規模の拡大を目指す。
 REITの運用に加え、セパレートアカウントファンドの立ち上げも計画している。SAMIのAM機能を活かして、投資家向けにインドネシア国内での投資案件とセットで、AMを含む投資プラットフォームを提供していくもの。「インドネシアは不動産にかかる慣習が特殊で、土地の所有権は認められず、代わりに建設権など独特の概念がある。あるいは外資規制庁への対応も考えるとサードパーティーの投資プラットフォームの活用ニーズは大きい」と上坂氏は話す。
 国内では、東京23区に所在する同社開発の賃貸住宅不動産へ投資する、私募もしくは上場REITの組成を計画中。10月にシノケンアセットマネジメントが取引一任代理の認可を取得した。こちらは2020年春先の立ち上げを目指している。
 「インドネシアと日本の両国にまたがり、国内外の投資家に向け多様な投資機会を提供していきたい」と上坂氏は意気込みを話した。

月刊プロパティマネジメント 1月号