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【日本経済新聞】オンラインで不動産取引 シノケン、コロナ対応・効率化

まず賃貸管理契約
売買や融資審査にらむ

 投資用不動産のシノケングループは不動産取引をオンライン化する。ソフト開発のスカラと提携し、インターネットで本人認証できる技術を採用。2021年春からまず販売した不動産の賃貸管理契約で導入する。将来は売買や金融機関の融資審査にも広げる。新型コロナウイルス禍で非対面取引に対応するほか、押印も可能な限り不要にし、業務効率化につなげる。
 スカラが出資するデジタル認証サービスのxID(クロスアイディー、東京・千代田)が開発した技術を採用する。マイナンバーカードに埋め込まれたICチップをスマートフォンで読み取り、独自IDを作成。アプリを使ってオンライン上で本人認証する。
 不動産取引は対面が一般的で、住民票や運転免許証で本人確認したり、不動産登記の移転などを司法書士に委託したりする必要があり、事務処理にも手間や時間がかかる。デジタルIDで本人確認できれば、業務のオンライン化が進む。
 シノケンの不動産業務手続きをオンライン化するプラットフォームを21年春にもスカラと共同で構築する。まずは投資用不動産の購入者と物件の賃貸管理を結ぶ契約などでオンライン化する。押印しなくても契約できるようにする。
 将来は不動産購入資金の融資申し込みや銀行口座開設なども金融機関や企業と協力してできるようにする。不動産登記や収入を証明する源泉徴収票の取得などは現行制度ではオンライン化が難しいが、国の制度整備を見据え、2年ほどかけてオンラインで完結できる体制を整える。
 シノケンは投資用不動産販売の新規契約だけで月100件以上の手続きを処理している。オンライン取引体制を整えることで、コロナ禍でも遠方の顧客とも取引しやすくなるほか、事務処理の効率化にもつながるとみている。
 シノケンはこれまでも不動産売買契約などの際に必要な「重要事項の説明(重説)」のオンライン化を実証実験するなど、不動産取引のデジタルトランスフォーメーション(DX)に力を入れてきた。オンライン取引システムが構築できれば、他の不動産会社にも需要があるとみて、外販も検討する。
 投資用不動産を巡っては、スルガ銀行の不正融資などで収入証明などの情報改ざん問題が発覚した。シノケンは「オンライン化で収入証明書の改ざんは難しくなり、透明性が高まる」との見方を示している。

日本経済新聞 2020年10月15日朝刊