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【ふくおか経済EX2026】オフバランス化で資本効率向上 AI活用や海外事業も加速
(株)シノケングループ
2025年12月期は過去最高売上を更新。開発案件のオフバランス化による財務体質の強化と利益率の向上を推進している。生成AIアバターによる商談エージェントの導入や、インドネシアの大型開発への参画、新旗艦モデルのアパート発売など、多角的な戦略で次なる成長を描く。
前期売上高は2期連続過去最高
2025年12月期の連結売上高は1.7%増の1,309億7,500万円で過去最高を更新。経常利益は3.4%増の104億8,300万円で、3期連続の増収増益となった。篠原英明会長は「アパートやマンションの開発において、前期から自社のBS(バランスシート)ではなく、SPC(特別目的会社)などを活用したスキームを採り入れている。今後は開発にかかる売り上げが計上されない一方、利益は確保できるため、より効率的で安定した会社経営が可能になる」と自信を見せる。また、ゼネコンの事業会社㈱小川建設の株式を、シノケングループの持分法適用関連会社である㈱プロパストに譲渡し、財務体質の強化を図った。今期はアパート・マンション開発のオフバランス化が全体の半分程度に進み、売上利益率は10%以上へと大幅に向上する予想。自己資本比率も40%からさらに高くなる見通しだ。
対話型AIエージェントを導入
主力のウェルスクリエイション事業では、1月に㈱PKSHA Technologyと共同開発した、生成AIアバター搭載の「シノケン・セールスAIエージェント」の提供を開始。顧客の投資相談や商品説明に24時間365日対応する仕組みで、不動産業界初の試み。従来の対面、WEB面談に加えた新たな選択肢として、時間や場所の制約を受けない環境構築を目指す。生成AIとリップシンク(口の動きとの同期)技術を高度に連携させ、自然な発話と双方向の対話を実現。年収や勤務先、投資経験などに応じた個別提案も可能だ。35年以上の商談ノウハウや、累計約8,000棟の販売、入居率99.0%の実績に基づく賃貸管理の知見を実装し、業界特有の表現やリスク面などの具体的な問いにも回答。AIが忙しい会社員をサポートする「AIアパート経営」の推進を図っていく考えだ。
木造3階建てフルロフトアパートを発売
また、この4月から全室ロフト付きの木造3階建てアパート「HarmonyTerrace LOFTRIA(ハーモニーテラス ロフトリア)」の販売を開始した。ロフトに同社独自の空間設計ノウハウを採用し、収納家具に階段機能を持たせることでスペースを有効活用する。天井高は3.0mで開放感があるほか、ロフト空間を生かし、生活スペースと寝室を分けるなどライフスタイルの自由度向上につながる点が特長。「全室ロフトを設けた木造3階建て賃貸住宅の商品化は日本初」という。第1号物件は東京23区内で予定。新たなフラッグシップモデルとして、東京23区、関西(大阪・京都)、名古屋、福岡、仙台の5都市で展開していく。
海外事業で30年に利益10億円へ
一方で、インドネシアを中心に展開する海外事業も活発だ。昨年9月に現地の大手不動産会社と共同で大規模戸建て住宅開発プロジェクトに参画。投資家としての参画に加え、アレンジャーとして他の日系投資家の招へいや企画などの側面からも支援している。そのほか、大型商業施設の取得取引において、ファイナンシャルアドバイザーとして支援。並行して、会計・税務などの専門領域は一昨年に現地大手コンサルティングファームと共同設立した「ジャパンデスク」の機能を活用し、より広域に取引をサポートした。
並行して、独自の事業モデルもさらに強化する。インドネシアでは現在、サービスアパートメント「桜テラス」3棟が稼働しており、3年以内に全体で10棟程度、50億円の投資を計画し、同国のみならず豪州も視野に入れている。篠原会長は「海外事業の利益は現在1~2億円で、2030年までに10億円以上を目指す」と先を見据えた。
ふくおか経済EX2026