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2025.04.21 / メディア情報

【ふくおか経済EX2025】創業以来初のトップ交代 基盤と価値観を継承しさらに発展を


(株)シノケングループ
創業以来初の社長交代、玉置新社長は「基盤と精神・価値観の継承」と「グループのさらなる発展」を抱負に掲げる。今期は不動産サービス事業の充実に注力するとともに、マンション開発ではSPCを活用したスキームを採り入れ、オフバランス化による財務バランスの向上を目指す。

玉置貴史専務が新社長篠原社長は代取会長に

 今年1月1日付で新社長に玉置貴史専務が昇任し、創業者の篠原英明社長は代表取締役会長に就任。同社創業以来初の社長交代となった。
 玉置社長は「本当に身の引き締まる思い。やるべきことは『継承と発展』と考えている。当社は今年で創業35年。篠原会長が築いてきた基盤と、その精神・価値観をしっかりと継承して、グループ全体をより発展させていくことが私の大きな役割」と、所感と抱負を語る。
 新体制では、篠原会長がグループの全体的な方向性を示すとともに海外事業を管轄し、玉置社長が国内の社業全般をマネジメントする形で、グループ全体の運営に当たっていくという。

前期売上高は過去最高

 昨年12月期の連結売上高は21.5%増の1,287億7,200万円で過去最高。経常利益は16.4%増の101億3,700万円。6期ぶりに100億円を超え、2期連続の増収増益となった。
 主力の不動産セールス事業では特にアパート販売が好調で、土地の価格、建設コストの上昇に伴って販売単価も上昇。篠原英明会長は「販売価格の上昇で利回りには多少影響もあるが、家賃の方もタイムラグはあるものの上昇しているため、安定した賃貸経営ができる商品としてユーザーから評価されている」と分析する。
 賃貸管理等の不動産サービス事業も増収増益。管理戸数は前期末で5万戸を突破し、安定的なストックビジネスとして着実に成長している。
 ゼネコン事業も、働き方改革の浸透や昨年の2024年問題、残業規制の厳格化等によって建築主の理解が広がり、人件費を含めた工事原価の転嫁も進んで収益が向上、増収増益を確保した。
 介護などライフケア事業も順調で、昨年10月には同事業の子会社4社を合併し、㈱シノケンウェルネスに集約。これを機に経営の効率化とグループシナジーの創出、サービス品質の向上を進めていく。
 インドネシアを中心に展開する海外事業も活発化。昨年9月にオーストラリアで、阪急阪神不動産㈱の現地法人等が参画する物流不動産賃貸・開発事業にファイナンシャルアドバイザーとしてサービスを提供、同じく10月にはインドネシアを代表するコンサルティングファームと共同で、コンサルティングサービスを提供する「ジャパンデスク」を設立。すでに日系の大手数社から引き合いも来ているという。

オフバランス化で利益率向上図る

 今期の重点項目としては、不動産サービス事業の充実を掲げている。
 今年2月から新築アパートには最大10ギガの高速インターネット無料サービス「シノケンひかり」を導入しており、さらに住居自体や電気、ガスなど生活インフラにおけるサービスも拡充していく。
 業績面では、今期も基本的には増収増益を予想しているが、マンションにおいては直接的な投資や開発を行わず、SPCを活用したスキームを採り入れる。オフバランス化により売上高は微増となる見通しだが、利益額と利益率は上がり、財務バランスも大幅に向上し、実質プラス成長になるという。今期はこのスキームを軌道に乗せ、徐々に取り組み案件の幅を拡げていく考えだ。
 篠原会長は「売上高よりも利益の額と利益率に意識をおいた経営で、より強固な財務基盤をつくり上げ、今期中に実質無借金経営を目指す」と語り、数年後には再上場も視野に入れている。
ふくおか経済EX2025
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